poweed by MIC-KEY

患者さまとご家族の声
Family’s VOICE

Interview01『DOCTOR VOICE』高見澤 滋 先生

「胃ろうは適切な栄養ルート。成長のため積極的に薦めます!!」

平成20年4月、長野県立こども病院に赴任した高見澤先生は、診療の中で、口から食事がとれない子どもたちにできるだけ苦痛や負担の少ない栄養摂取法として、胃ろうを薦めてきました。「胃ろうを通じて子どもたちの生活に最大限のメリットを引き出したい」そんな視線を子どもたちやご家族に注がれています。

子どもと家族に負担のない生活を!! ―治療からできるだけ普段に近い生活を―

  • 写真1 MIC-KEYバルーンボタン
    ▲写真1 MIC-KEYバルーンボタン

    私は兵庫県立こども病院勤務時代から一貫して、小児の胃ろうチューブはMIC-KEYバルーンボタン(写真1)を使用しています。長年トラブルもなくその実績と信頼、使い慣れの観点から当院でもMIC-KEYに統一しました。MIC-KEYは先端が細くなっているため交換時の入れやすさや痛みを軽減できるメリットを重要視しています。これは子どもに限らず、成人にもいえることだと考えています。

    写真1 MIC-KEYバルーンボタン

負担の少ない生活のために守りに入らない!! ―むしろ早期から「攻め」の姿勢で―

  • ご家族に胃ろうの提案や説明をするときには、実際にMIC-KEYバルーンボタンを用意し、その小ささや柔らかさを手にとって感じてもらいます。体表部分で皮膚に接する部分も小さいので、管理の簡便さなども説明し、胃ろうのある生活を十分にイメージしてもらいます。
    胃ろうを提案すると、最初は残念そうな表情をされるご家族が多いように思います。報道等で耳にする成人の胃ろうと同様に“延命治療”として仕方なく胃ろうにする、というようなネガティブなイメージを持たれているのでしょうか。でも、我々は胃ろうをそういう受身的なイメージではとらえていません。本人と家族にとって負担が少なく、生活の質の向上ために先手を打って積極的に使いこなす胃ろうを意識しています。ご家族と同じ食事をミキサー食にしてMIC-KEYから摂取することも問題なくできますし、状態にもよりますが鼻からのチューブがないので口から食べる練習ができる可能性が増えることも説明します。練習の結果、口からの摂取が可能となれば味わうことができる喜びも生活の一部となりますし、時に体調が悪く食が進まないときも、食べられる量だけ口から食べ、残りは胃ろうから摂取できます。「食べなければいけない」「食べさせなければいけない」というストレスも軽減できます。その結果、ご家族の表情にも明るさがもどり、最近では、“口から食べさせたいので胃ろうにしたい”と言われることも増えてきました。

在宅では管理をできるだけシンプルに!!

  • 現在、MIC-KEYを使用している在宅の患者さんには、過去の経験、医療従事者として安全配慮の観点より、固定水の確認・交換の指導はしていません。※それは長年使用してきている中で、きちんと1ヶ月毎に交換をすることにより、トラブルをほぼ経験したことがないからです。1ヶ月間固定水の量はほぼ維持されており、減ったり破裂したりということはほとんどありません。※ご家族にとって目に見えないバルーンの固定水を管理することは負担になるでしょうし、もしもろう孔の途中でバルーンを膨らませてしまったら、大きなトラブルの原因になるかもしれません。そのため、あえて家では確認しないという考えからそのように指導しています。万が一、チューブが抜けてしまっても、抜けてしまったチューブの固定水を抜き、そっとろう孔に挿入し、テープなどで固定して受診するよう伝えています。トラブルにつながりそうなことは極力減らし、万が一のときのサポート体制を整えておくことで理解が得られています。これがご家族にとっても安心・安全な在宅での胃ろう管理につながっているのではないかと思います。