胃ろうの管理
After CARE
早期の管理Early Management
【目標】
瘻孔形成には、約1ヵ月程度かかるため、その間トラブル無く経過することが目標となります。
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1.全身管理(発熱、消化器症状など)
発熱の有無や血圧などバイタルサインに異常がないかを見ていきましょう。特に栄養状態や嚥下機能に問題がある場合には肺炎などを起こしやすいので注意が必要です。食事をしていなくても口腔内を清潔に保つこともとても大切です。また栄養剤を注入すると下痢を起こすことがあります。造設前に腸管を使っていない時期が長かった場合には栄養剤を少量ずつ投与することが大切です。また下痢が続く場合には繊維が含まれている栄養剤に変更することなども考慮する必要があります。また便秘になる方もいますので注意が必要です。
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2.瘻孔周囲の観察(発赤、腫脹、疼痛、出血、滲出液など)
瘻孔周囲に発赤、腫脹、疼痛、出血がある場合には感染が起こっている可能性があります。主治医の先生に報告をして早めに対応を考えましょう。
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3.瘻孔部の管理
瘻孔部は術後早期以外には消毒は必要としません。石鹸や水道水による洗浄など通常のスキンケアを毎日行うことが大切です。乾燥させすぎないように保湿にも心がけましょう。
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4.カテーテル管理
カテーテルはなるべく垂直に立て折れ曲がりのないように固定します。ティッシュをこより状にしたものを巻きつけたり、化粧用のパフやスポンジを用いて固定すると良いでしょう。
また自己抜去の可能性がある場合には腹帯の使用などを考慮します。造設後2~3日経てば外部ストッパーをゆるめることで瘻孔部の血流障害によるトラブルを防ぐことができます。またチューブ型の場合には外部ストッパーの位置がずれるので油性のマジックで適切な位置に印をつけておいて定期的に確認しましょう。
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5.カテーテルの回転
チューブや外部ストッパーがいつも同じ場所を圧迫しないように注意が必要です。また外部ストッパーが皮膚に食い込んでいないかを見ます。定期的にカテーテルを回転させることで皮膚と外部ストッパーの間に十分な余裕があるかを見ていきましょう。